ごあいさつ
人知れず、爪と足の悩みを抱えている方々がいらっしゃいます。とても痛い。いつも、憂うつな気持ちになる。でも、どうしたら良いか分からない。そのような方々の悩みを、なんとか解決をしてあげたいという思いから、爪と足の治療&ケア部門を開設しました。
当院には、爪と足のケアを行う、以下の専門家たちが在籍しています。
1、爪の矯正、陥入爪、爪白癬の治療を行う医師(ドイツVHO資格認定者)
2、肥厚爪、爪の変形、胼胝、鶏眼をケアし、
医師の治療をアシストするフスフレーガー(ドイツフットケア資格認定者)
3、外反母趾、偏平足などの足の変形に対する靴やインソールを
作成するシューマイスター(専門靴職人)
それぞれの専門家が、皆さんの個別性に合わせて治療やケアを行います。
当院にはドイツ政府公認のフスフレーガーが数人在籍しています。そして、当院のフスフレーガーは、医師の指導の下、施術を行いますが、爪や足の障害に対してではなく、爪と足の悩みを持った人間として見る、全人的医療の視点を持っています。
フスフレーガーの施術の技術だけではなく、人と人としての出会いと交流を通して、快適な生活を実現できることを願っています。
フットケアメニューのご案内
※ 予約制となっております
【ご予約・お問い合わせ】0545-32-6677
靴と足の外来日
令和2年 3月7日(土)13時00分 ~ 17時00分(予約制)
医師とシューマイスター(専門靴職人)による、足と靴のカウンセリングを行い、あなたに合った、靴やインソールを制作いたします。
制作の流れ
1、医師の診察
2、『靴の外来』 初回日:足の計測、靴のアドバイス
3、靴、インソールの制作
4、『靴の外来』 2回目(翌月):微調整、靴のお渡し
医師の診察を受け、保険適応の疾患と判断された方は、後日、保険手続きを行うと、保険料分の還付金が受け取れます。
『靴の外来』は、毎月第1土曜日12;40分から、予約制となっています。
詳細の日程、予約については、下記のとおりです。
ご希望の方は受付に、相談してください。
1、陥入爪(かんにゅうそう)と巻き爪(まきづめ)
陥入爪と巻き爪の違い
爪が皮膚や軟部組織(骨などの固い組織以外)にくい込んでいる状態を陥入爪といいます。陥入爪より爪の巻き込みが強い場合は巻き爪と呼ばれますが、現在は、その定義はあいまいではっきりと区別はついていません。倉片先生は、陥入爪と巻き爪をまとめて、以下のように9種類に分類しました。
1、軽症型
2、埋没型
3、爪甲横幅過長型
4、爪母近傍肉芽形成型
5、側爪郭肉芽包囲型
6、爪甲斜め生長型
7、爪甲硬度増加型
8、多趾同時多発型
9、巻き爪型
片倉長門著、外来でできる足にやさしいフットケア、全日本出版社より抜粋
陥入爪の原因
1、足を着かないことによる
2、爪の欠損によるもの
①短すぎる爪によるもの
②丸切り、三角切りなどの不適切な爪切りによるもの
③爪の外傷による爪の欠損によるもの
3、合わない靴を履くことによるもの
4、足の機能異常によるもの
5、足の変形によるもの
6、遺伝
7、白癬菌(水虫菌)によるもの
8、薬剤の服用によるもの
9、妊娠
倉片長門著、外来でできる足にやさしいフットケア、全日本病院出版社から抜粋
陥入爪の治療
治療法として、以下が挙げられる。爪の状況や病型に合わせて治療法を検討し、時に2つの治療法を組み合わせています。
1、テーピング法:テーピング法、アンカーテーピング法
2、外用療法(いわゆる塗り薬)
3、内服療法(いわゆる飲み薬)
4、綿つめ(コットンパッキング)療法
5、ガーゼパッキング&ジェル固定法:当院考案
6、ニッパーカット法
7、グラインダー削り法
8、モスキートペアンによるアイロン法
9、超弾性ワイヤー法(マチワイヤー法):持ち上げ法、引き上げ法
10、人工爪療法
11、ガター法:マチガター法、チューブガター法
12、VHO法+ガーゼパッキング&ジェル固定法
13、VHO法+人工爪療法
14、VHO法+超弾性ワイヤー法(マチワイヤー法)
15、手術療法
片倉長門著、外来でできる足にやさしいフットケア、全日本病院出版社を一部改訂し抜粋
治療法のイラストと実際の治療
2、爪白癬(爪の水虫)
3、爪甲肥厚(分厚い爪)、爪甲鉤彎症(鉤のような爪)
爪甲肥厚
爪甲下角質増殖型肥厚爪:最も多い原因は爪白癬(爪の水虫)です。爪甲の下が角質となって増殖します。
厚硬爪甲:爪甲の上に重なって厚くなり、硬くなる症状を呈する。第1趾に生じやすいとされます。
爪甲鉤彎症:爪甲の上に何層も重なり厚くなった状態です。重なっている爪は、爪床から剥離しています。
爪甲下角質増殖型肥厚爪
左図:爪甲の下に角質が増殖し、巻き爪変形を合併しています。白癬菌は陽性です。
右図:爪甲の下に角質が増殖しています。白癬を思わせますが、白癬菌は陰性です。先の狭い靴や足趾の変形により、爪に不自然な圧力がかかったためと推察されます。
足の専門学校SHOOL OF PEDI 桜井佑子さんご提供のもの:高山かおる:爪甲肥厚、爪甲鉤彎症の病態と対処 カラーアトラス爪の診療実践ガイド、全日本病院出版社より抜粋
厚硬爪甲
左図:手術(爪床、爪母部分切除)後のトラブルの例です。爪甲は幅が狭くなったため、下からの圧力に応じられなくなり、肥厚し、巻き爪変形を来しています。
右図:爪甲が全部はがれてしまった後、新しい爪が伸びてきましたが、末節骨先端の隆起に阻まれ、さらに、横から押され、爪は前に伸びなくなり、埋没しています。また、爪には横線が入っています。
足の専門学校SHOOL OF PEDI 桜井佑子さんご提供のもの:高山かおる:爪甲肥厚、爪甲鉤彎症の病態と対処 カラーアトラス爪の診療実践ガイド、全日本病院出版社より抜粋
爪甲鉤彎症
左図:何層にも爪甲が重なっています。末節骨ないし軟部組織の肥厚を認めます。
右図:完全に爪甲の線維の向きが外側を向いています。爪甲は削っていくと小さい三角形ないし四角形の爪が残ります。
高山かおる:爪甲肥厚、爪甲鉤彎症の病態と治療 カラーアトラス爪の診療実践ガイド、全日本病院出版会より抜粋
実際のケア:フスフレーガーによる
1、たこ(胼胝)とうおのめ(鶏眼)
たこ、うおのめとは
たこ、うおのめとは、足の一部に、集中して、圧力がかかり続けたとき、それに対抗しようとする生体の反応として皮膚が厚くなる変化のことをいいます。
たこは、厚くなった角質部分が皮表に向かってのみ起こり、うおのめは、皮表だけではなく、皮下に向かっても起こります。
そのため、うおのめでは、皮下に走行している神経、血管や骨を圧迫するため、その大きさにかかわらず、痛みが強くなることが多いです。
たこ、うおのめの模式図(宮地良樹著、田辺三菱製薬(株)院内掲示用資料より改変):
片倉長門著、外来ですぐできる足にやさしいフットケアより抜粋
実際のケア:フスフレーガーによる
たこ(胼胝)
うおのめ(鶏眼)
角質
1、足の骨に一致した痛みを発する疾患