筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)という病
[身体]
2003年、
カナダ保健省から出た、診断ガイドラインです。
交通事故後、手術後、ウィルス感染後の
不可解な症状を訴える患者さんを治すため、
さんざん悩んでいました。
日本のどの診断基準にも合わない。
調べていました。
出会いました。
これだ!と思いました。
2007年に最初の症例報告の論文を書きました。
以後、何例も学会発表をしました。
当時、残念ながら、
聴いている方々を、
振り向かせることができませんでした。
現在は、多少認知され、真剣な専門家の先生が増え
診断と治療が施されているようです。
当時の私は
ME/CFSを治すには、
治療手段に乏しく、
適切な治療が行われている医療施設も、
どこにもありませんでした。
ME/CFSの治療は
多くの、有能で、情熱的で、適切な治療的自我を持ったスタッフ、
一貫した、適切な医療モデル(全人的医療モデル)、
統合的医療手段(漢方治療、理学療法、鍼灸治療、アロマセラピー、
ヨガ、適切なサプリメント、温熱治療、多くの心身医学的検査機器、など)
が必要でした。
11年前に構想し、
地域でME/CFSが治せる
整形外科モデルクリニックを目指し、
9年前に開院しました。
自分自身の実力を高め、
有能なスタッフを集め、
治療のための、教育に時間とお金と手間をかけてきました。
やっと、治療が再開できます。
ここまで来るのに、9年かかりました。
紆余曲折がありました。
言葉では言い表せないくらい
長く、辛い、道のりでした。
富士市の人口が30万人だとし、
有病率0.1%から算出すると
ME/CFSの患者さんは
300人はいるはずです。
どこに、いるのでしょう??
地域のクリニックの多くが認知してくれれば、
診断法、治療法を身につけていれば、
きっと、日本中のME/CFSの患者さんが
助かるはずです。
現在、2人の患者さんを診ています。
1つの症例報告の論文を書き上げました。
すべての患者さんの、苦しみと哀しみを分かってあげ、
当院スタッフとの温かい交流でありながらも、
根気強く、厳しい、戦いの記録を
1人1人丁寧に大切に
残して行きたいと思います。
整形外科に受診した患者さんの中に、
多くのME/CFSの患者さんがいました。
慢性に続く、立てないほどの疲労、
全身におよぶ激痛、
いろいろな臓器の、多彩な症状。
誰も、分かってくれない極限の孤独感
精神疾患に扱われ、
何でもないと言われ、
身体が動かず、
診断もされず、
通院もできないくらい弱ってしまうため、
寝たきりや引きこもりになり、
医師にも、世間にも、誰にも気づかれず、
世間から、何事もないように、
葬り去られて行きます。
人知れず、苦しんでいる人、
医療の影の部分
医療の光の部分だけ注目するのではなく、
影の部分に大きな光を灯し、
希望の手を差しのべてあげたい
ものです。