2016年09月26日
保証、「大丈夫です。」
よい本です。
腰痛の「恐怖回避思考」の影響について述べています。
転換性障害の診察の仕方はとても参考になりました。
しばしば、医師の言葉によって、痛みは慢性化し、難治化します。
腰痛を例にとると、
MRIやレントゲン写真を見ながら、
「将来はヘルニアが悪化し、歩けなくなるかも。」
「腰痛は椎間板がすり減っているため。」
等
これは、患者の
「不安」や「身体症状へのとらわれ」の心理をあおり、
「恐怖回避思考」を増長させることになり、
機能性身体症状としての腰痛の慢性化、難治化につながります。
心身医学の痛みの治療の第一歩は、
「大丈夫です。」と器質的疾患がないことの保証をすることです。
医師も診断ミスの恐怖、訴訟の恐怖、にかられていますから、
「大丈夫です。」の保証は強い確信と大きな勇気が必要です。
私は、以前、この恐怖から逃れるため?開き直るため?
「訴訟が怖くて、痛みの患者を診てられるか!」と嘯いていたことを
思い出します。
痛みの治療は「大丈夫です。器質的問題はありません。」と
堂々と、ニッコリと伝えることが痛みの治療の第1歩です。
今日も、内心ドキドキしながら、表面ニッコリと、
患者さんに自分の心理を悟られないように、
「大丈夫です。」を連発する予定です。